中性デタージエント法によるオーチャードグラスの栄養価と自由採食量の評価
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概要
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オーチャードグラス(102点)をめん羊に飽食させて消化試験を行った結果を用い,細胞壁物質(CW)と細胞内容物(CC)について生育に伴う変化ならびに栄養価や自由採食量との関係を検討した。牧草の生育に伴う1日当りの変化は,春から秋へと季節が進むにつれて,CW消化率で低下が小さくなり,また,CC消化率でも同様な傾向があり,不消化CW含量の上昇も小さくなった。CW含量とその消化率,可消化乾物量(DDM)および自由採食量との間には,それぞれ,有意な負の相関があり,一次回帰式の定数項,回帰係数ともに季節が進むにつれて小さくなった。不消化CW含量(X: %)とDDM(Y: %)とは各生育季節ともにr=-0.95以上の高い負の相関と近似した回帰式が得られ,全体ではY=85.8-1.03X (r=-0.97)となった。CW含量と可消化CW含量との間にはr=0.07と有意な相関がなく,CC含量(X: %)と可消化CC含量(Y: %)との間にはY=-14.7+0.99X (r=0.96)の関係があった。自由採食量とCW排泄量との間にはr=0.01と有意な相関がなく,飽食時のCW排泄量は13g/kg^<0.75>と一定していた。この関係と,自由採食量とCC排泄量との一次回帰式から,CWとCCの真の消化率は,それぞれ,61,98%と推定した。可消化CW含量と可消化CC含量との間にはr=0.14と有意な相関がなく,これらを独立変数とし,可消化エネルギーおよびTDN含量を従属変数として求めた重回帰式から,可消化CW 1gは4.55 Kcal,可消化CC 1gは4.51 Kca1で,これらの栄養価に対する相対重要度は,それぞれ,30と70%と認められた。オーチャードグラスのDDMや自由採食量は不消化CW含量および可消化CC含量によって規制される。
- 日本草地学会の論文
- 1985-10-30
著者
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