オーチャードグラスの季節別の生育日数と栄養価の関係
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概要
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オーチャードグラス単播で造成した2年目以降の草地から収穫し,6か年間,去勢羊に給与して調べた1番草20点,再生草43点からなる生草を生育季節別に分けて,生育日数と栄養価との関係を検討した。春の1番草で,生育日数(X:4月30日から刈取りまでの日数)との間に化学成分では酸性デタージェント・リグニン含量が0.96と最も高い相関係数を示した。また,乾物消化率(Y)とはY=87.3-0.55X r=-0.96の関係が得られた。TDN,可消化エネルギー(DE),NVI,DE摂取量との間にも-0.9以上の高い負の相関を認めた。夏の前半(8月1日以前)の再生草で,粗蛋白質含量の潜在値が高く,生育日数(刈取り間隔)と乾物消化率,DE含量,自由採食量およびDE摂取量との間に有意な負の相関が得られた。夏の後半(8月1日以降)の再生草で,生育日数と残余炭水化物(炭水化物一細胞壁物質)含量との間には有意な正の相関があり,また,TDN含量および自由採食量との間には有意な相関がなかった。この季節の牧草では,生育日数との間に30日前後に変曲点をもつ二次回帰式が,乾物および細胞壁物質の消化率,TDN,DE,自由採食量,DE摂取量ともにあてはまった。秋(9月下旬以降)の再生草で,化学成分の含量,消化率,可消化量ともに1目当りの変化の程度が小さく,夏の草より粗蛋白質以外の栄養価にかかわる可消化量の潜在値が高かった。夏の後半と同様に生育日数との間に40日前後に変曲点のあるゆるやかな二次回帰式があてはまった。
- 日本草地学会の論文
- 1983-07-28
著者
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