寒地型牧草の自然下種に関する研究 : I.春期の利用抑制が種子の生産ならびに落下種子の発芽・定着に及ぼす影響
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概要
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春期に制用を抑制しさわだ牧草の種子を結実・落下・発芽・定着させるいわゆる自然下種法が,牧草地の植生維持回復技術になり得るか否かを明らかにするため,春期の利用抑制程度を変えて寒地型牧草(8草種・品種)の種子の生産量,稔性および落下種子の発芽・定着状況を調査した。試験処理は,春から8月上旬まで刈取りを行わず,それ以後11月まで3回刈取る春期無利用区(S_0)と,4月下旬〜5月上旬に1回刈取り,以後S_0区と同じ時期に刈取る春1回利用区(S_1)の2水準とした。結果の概要は以下のとおりである。1)春1回の利用で出穂始期,開花期および完熟期は,おおかたの草種で遅延した。2)種子生産量と8月の落下種子は,春1回の利用により著しく少なくなった。草種間で比較すると春期無利用区の種子生産量および落下種子量はペレニアルライグラスで,落下種子粒数はレッドトップで最も多くなった。3)稔実率は,大半の草種が春1回の利用で有意に低下した。4)落下した種子の発芽・定着数は,各草種とも春期無利用区で多く,また同区の中ではペレニアルライグラスとオーチャードグラスが良好な発芽・定着を示した。
- 1985-02-25
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