牧草の刈取適期 : IV.各季節のイタリアンライグラス個体群形成にともなうLAIとNARの推移について
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概要
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各季節におけるイタリアンライグラス個体群形成にともなう乾物増加速度の推移を,葉面積指数と純同化率との推移に分けて,各季節生産の仕組について検討した。LAI-CGR曲線の推移は季節によって異なり,秋は一般に左右対称に近い2次曲線,冬は高原状の曲線をえがく。春はLAIが9〜12をこすまで,LAI-CGR関係はほぼ直線的に上昇し,その後,急転して下降する。5ヵ年次の_<opt>LAIの平均は,秋;7.08,冬;5.45,春;10.70で,最大平均生産力時のLAIの平均値は,秋;10.37,冬;8.88,春;13.73であった。LAI-NAR曲線の推移は季節によって異なり,秋,つまり発芽後の個体群形成においては,LAIの増加とともにNARは直線的に減少する。冬と春の再生による個体群形成においては,初期にはNARは負の値を示し,再生葉の伸長展開とともにNARは高まり,さらにLAIの増大とともにNARは低下に向う。最大平均生産力時のNARの5ヵ年次の平均は,秋;0.68,冬;0.63,春;1.40であった。Spring flushの旺盛な乾物増加は,LAIとNARとの同時増大と,その後の出穂によるLAIの増大制限が,高日射とあいまってNAR,ならびに平均生産力を高く保持したことが原因の一っになっていると思われる。最大平均生産力時におけるLAIとNARとの間の年次変動をみると,秋と春とにおいて,それぞれ次式の相関を認めた。秋LAI=0.0209 NAR+0.4616 (r=0.917)春LAI=0.0996 NAR-0.3245 (r=0.996)上式から,最大平均生産力と,そのときのLAI,NARの3者の関係を求めることができる。
- 日本草地学会の論文
- 1980-01-31
著者
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