牧草の刈取適期 : 第VI報 イタリアンライグラス個体群の季節生産性と光逓減係数
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
光逓減係数によってイタリアンライグラス個体群の受光構造をしらべた。光逓減係数は個体群形成にともなう葉面積指数の増大と,地際相対照度の低下との間の負の相関の回帰係数で,個体群形成過程を通しての平均的な受光構造を示す。1)光逓減係数には季節変化が認められ,6ヵ年次の平均で,秋は0.52,春は0.38,冬は0.33を認めた。2)光逓減係数の年次変動と刈取適期のLAIの年次変動との間には,秋にはγ=-0.727,春にはγ=-0.849の負の相関が認められた。3)刈取適期のLAIの年次変動と個体群内部への光の透入の度合〔平均日射量(I_0)/光逓減係数(K')で示した〕の年次変動との間には,秋にはγ=0.988,春にはγ=0.968の正の相関が認められ,これらは次の関係式で示された。秋の刈取適期のLAI=0.0212(I_0/K')-0.7(1)春の刈取適期のLAI=0.0068(I_0/K')+6.9(2)4)光逓減係数の年次変動と刈取適期のNARの年次変動との間には,秋にはγ=-0.611^<NS>,春にはγ=-0.623^<NS>の相関が認められたが有意ではなかった。5)刈取適期のNARの年次変動とI_0/K'の年次変動との間には,秋にはγ=0.949春にはγ=0.965の正の相関が認められ,これは次の関係式で示された。秋の刈取適期のNAR=0.0006364(I_0/K')+0.3405(3)春の刈取適期のNAR=0.0000755(I_0/K')+0.2696(4)6)春,秋の最大平均生産力は,光逓減係数と栽培期間中の平均日射量との両要因によって規制され,これは次の関係式で示された。秋の最大平均生産力は(1),(3)式から秋の最大平均生産力=0.00001349(I_0/K')^2+0.00677(I_0/K')-0.2384(5)で,春の最大平均生産力は(2),(4)式から春の最大平均生産力=0.00000513(I_0/K')^2+0.00704(I_0/K')+1.86で(9)求められた。
- 日本草地学会の論文
- 1981-10-30
著者
関連論文
- 牧草の刈取適期 : 第VI報 イタリアンライグラス個体群の季節生産性と光逓減係数
- 牧草の刈取適期 : V.イタリアンライグラス個体群形成にともなう地上部全重,葉身重,葉面積の相互関係の季節変化
- 牧草の刈取適期 : IV.各季節のイタリアンライグラス個体群形成にともなうLAIとNARの推移について
- 牧草の刈取適期 : III.イタリアンライグラス個体群の葉面積増加速度の季節変化
- 牧草の刈取適期 : II.各季節におけるイタリアンライグラス個体群のCGRと平均生産力との推移
- 牧草の刈取に関する研究-3-栄養生産および再生面からの刈取適期の検討
- 牧草の刈取適期 : 第1報.イタリアンライグラス個体群の生長に対するロジスチック式の適合について
- 牧草の刈取に関する研究-2-ロジスチック曲線を利用したイタリアンライグラスの刈取適期の推定
- 暖地における飼料生産の安定化に関する研究 : III.イタリアンライグラス追播によるローズグラス群落からイタリアンライグラス群落への植生の交替について
- 暖地における飼料生産の安定化に関する研究 : II. ローズグラス追播によるイタリアンライグラス群落からローズグラス群落への植生の交替について
- 暖地における飼料生産の安定化に関する研究 : I. ローズグラス追播による北方型牧草地の夏枯れ対策について
- 暖地における飼料生産の安定化に関する研究-1・2-
- 26.いね科優占草地へのまめ科牧草追播試験(造成管理,日本草地学会第10回大会講演要旨)
- 25.野草地の簡易(不耕起)牧草化について(造成管理,日本草地学会第10回大会講演要旨)
- 73.人工草地の維持管理に関する実態調査(調査その他,日本草地学会第8回発表会講演要旨)
- 104.高温乾燥期におけるオーチャードグラスの刈取りの高さに関する試験(草地の造成,管理などに関する問題,日本草地学会第8回発表会講演要旨)
- 汎用化水田における貯蔵飼料を主体とする作付体系の策定
- 暖地型牧草の安定生産に関する研究-1-暖地型牧草の耐湿性の草種間差異
- 飼料作物品種適性調査-2-中間的地帯におけるイタリアンライグラス・青刈麦の品種適正
- 飼料作物品種適性調査-1-中間的地帯におけるトウモロコシ,ソルガムの品種適性