チモシーの黒さび病抵抗性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
黒さび病に抵抗性および感受性を示すチモシー各1個体ならびにこれらの間の交雑第1代23個体を供試し,親交雑,戻し交雑および兄妹交雑を行なって得た後代について黒さび病抵抗性の遺伝様式を調べた。1.感受性個体間の交雑後代はすべて感受性を示した。2.感受性個体と抵抗性個体との間の交雑後代には抵抗性と感受性がほぼ1:1に分離するものと,ほぼ4:1に分離するものとがあった。3.抵抗性個体間の交雑後代には抵抗性と感受性がほぼ3:1に分離するものと,ほぼ9:1に分離するものとがあった。4.これらの結果からチモシーの黒さび病抵抗性は抵抗性が優性な1対の遺伝子によって支配され,六染色体的に遺伝し,少なくとも見かけ上は染色体自由分離を示すものと考えられた。5.チモシーにおいては黒さび病抵抗性遺伝子蓄積の効果が少なくともsimplexとduplexとの間にはほとんど認め難く,オーチャードグラスの場合と著しい対照を示した。これはオーチャードグラスが同質四倍体であるのに対し,チモシーが同質六倍体であることによるものと思われる。
- 日本草地学会の論文
- 1978-07-31
著者
関連論文
- チモシー斑点病菌Heterosporium phlei Gregoryの分生胞子形成に関する2・3の観察
- チモシーの黒さび病抵抗性
- オーチャードグラス品種のさび病抵抗性の一指標としての抵抗性遺伝子頻度
- 本邦でトウモロコシに発生した2種のさび病
- オーチャードグラス黒さび病菌とエンバク黒さび病菌のAvena属共通寄主
- 飼料用エンバク黒さび病菌レースの同定と抵抗性遺伝子源の探索
- オーチャードグラスにおける黄葉性の遺伝
- オーチャードグラスにおける黒さび病抵抗性の四染色体的遺伝
- (21) オーチャードグラス3栄養系の化学成分に及ぼす黒さび病の影響 (昭和51年度地域部会講演要旨(夏季関東部会))
- ペレニアルライグラス麦角病の発生と休牧日数との関係