草地造成における表面播種法の改善 : 第3報密度変化におよび収量におよぼすCoating種子の効果

概要

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トールフェスキュ(品種Ky 31)について覆土の有無,Coatingの有無と種類の組合せの処理を行なって,播種床の異なった条件が牧草の初期生育と生産におよぼす影響を検討した。覆土の処理は,表面播種に比べ出芽数が2〜3倍多い。またCoatingの処理は表面播種では効果があり,覆土の条件では裸種子とWet Coating種子の区がよい。しかし400/m^2以上の出芽数が得られると播種後3ヶ月間に個体数が急速に減少する。弱少個体の消滅とともに大きな株の出現が顕著である。年内刈収量は個体数の多少と同様の関係にあり,覆土条件の裸種子,Wet Coatingの区で多いが,1年目1番刈では区間の差は少なくなる。表面播種の条件で種子にCoatingの処理をして播種すればそろった個体を育てる上からもまた多収を得るためにも有効で特にDry Coatingの効果が期待できる。打錠による発芽の低下を防ぐことができればさらにその効果が大きくなるものと考えられる。2種類のCoating種子の適用性を確かめるため,田土壌にイタリアンライグラスの種子を表面播種し春まき,秋まきの2つの試験を実施した。春まき試験ではイタリアンライグラス(品種マンモスA)を用いて播種床の耕起の有無,種子のCoatingの有無とCoatingの種類,の組合せについて現地試験を行なった。Coating処理で発芽率が低下し,個体数が減少したがかなりの多収を得た。秋まき試験では春まき試験と同じ設計で実施した。結果は春まき試験と同様の傾向る示し,裸種子では耕起区が多収で,Coatingの処理をすると翌春に不耕起区がよくなる。Dry Coating区では個体数が少ないに拘わらずかなり高い収量をあげることができた。
日本草地学会の論文
1973-04-25

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