草地造成における表面播種法の改善 : 第2報 種子のDry Coatingの可能性
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概要
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Wet Coatingでは少量ながち水を用いるため造粒した種子が貯蔵中に発芽したり発芽性が低下したりする危惧がある。また牧草の場合には造粒しても多少粒が大きくなった程度で造粒種子の形が依然として不揃いで機械まきすることは困難である。そこで,水分を用いないで造粒を均一で同じ形で同じ大きさにつくることを考えた。それは微結晶セルローズを用いた直接打錠法を応用するととで,充てん剤の中に牧草の種子を打錠し,成形,実用化することである。方法としては単発式打錠機を用いて径9mm,厚さ約3mmの錠剤とした。ア,増量剤の量イタリアンライグラスの種子を用いて検討した結果,種子重の20倍の増量剤で打錠すると錠剤あたりの種子数が約5粒で発芽する種子数から考えて適当であると考えた。イ.ピートモスと微結晶セルローズとの混合割合アビセル50〜80%,ピートモス50〜20%の範囲の混合物で打錠すれば成形性,崩壊性がよく,クリムソンクローバの発芽低下もみられない。ウ,顆粒の混入上記の混合組せのうち,アビセルの量をへらすためピート顆粒の混入を検討して発芽への影響を調査した。顆粒を混入すると錠剤の硬度は増すが種子への影響が大きく,実用性が少ないと判断した。エ肥料の混入イタリアンライグラスでは苦土石灰の混入で発芽を害さないが重過リン酸の混入で発芽が阻害される。クリムソンクローバーでは両肥料とも適していない。IB化成(成分14-14-14)の粉末を混入しても1%でかなりの発芽低下がみられるが,これにアルギン1%を加えると発芽がよくなる。オ.乾式打錠法の草種適用性寒地型イネ科草7,寒地型マメ科草7,暖地型イネ科草4種について乾式打錠法の草種適用性を検討した。この方法で種子の発芽がよくなるのはアルサイククローバ,バーミュダグラスだけでさらにラジノクローバ,バーズフットトレフォイル,ケンタッキーブルーグラスなどの小粒種子の草種では実用化の可能性がある。オーチャードグラス,チモシー,アカクローバではこの打錠法が適しているか否か明らかではない。
- 1972-12-25
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