看護大学生の精神科保護室に対する受け止めおよび視点の変化 : テキストマイニングによる非構造型データの分析から
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概要
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精神看護実習における看護大学生の主観的体験に焦点をあて、テキストマイニングの手法により「保護室」に対する受けとめの変化および、何に対してどのような評価がされているかについて分析すると共に、学生の潜在的なニードを探索し、教育的働きかけの要点について検討した。その結果、学生の保護室を捉える視点は、不安を知的に防衛しながら眺める視点から、人間の自尊心やプライバシーに大きく関わるテーマが集約されている場所である「トイレ」を通して、対象者が体験していることに対する興味と共感にもとづく倫理的な視点へと変化していることが推察された。精神科や精神疾患患者に対する偏見を増大させずに保護室の機能と役割を正しく理解し、看護者として患者に正当な関心を払うことが可能となるためには、実際の患者とのかかわりに加え、権力的ではなく、教育的・発達的な働きかけを重視した看護師による対話形式の説明が効果的である事が示唆された。
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