精神看護実習における看護学生の精神病者観の形成要因に関する一考察 : 看護学生の "とらわれ"、主観的幸福感、精神病者観の変化および患者の症状の関係から
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
精神看護実習における看護学生の精神病者観の形成に影響を及ぼす要因として、不安を持ちながらも誠実に課題に向かおうと努力する看護学生のありようを読み解くキーワードとしての「とらわれ (構え)」^<注1)> と、その程度に関与すると思われる「主観的幸福感」を想定し、実習前後での「とらわれ」「精神病者観の変化」および「看護学生の主観的幸福感」「患者の精神症状の程度」を指標に、実習中の患者と学生の関係性に関して説明を試み、学生の発達を促す実習指導の要点について考察した。その結果、患者との関係構築が困難であるほど、学生の「とらわれ」のバリエーションは狭くなり、かつ「とらわれ」を有効に活用するためには、ある程度の主観的幸福感の豊かさが必要であること、また肯定的でバランスの取れた「精神病者観」の形成にも、学生の主観的幸福感の程度が関与している可能性が高いことが示唆された。主観的幸福感の尺度を指標にした、具体的な実習指導の要点についても論じた。
- 聖隷クリストファー大学の論文
- 2005-03-31
著者
関連論文
- 患者からの攻撃的行動に対する効果的看護実践の検討--精神科看護経験を有する熟練看護師への面接調査より
- 看護大学生の精神科保護室に対する受け止めおよび視点の変化 : テキストマイニングによる非構造型データの分析から
- 精神看護実習における看護大学生の対象理解の視点の置き方および情報判別の傾向に関する考察 : 構造判別図81事例の分析から
- 看護・福祉系学生の学生生活に関する意識 : 意識調査からみる専門職養成教育のあり方の一考察
- 精神看護実習における看護学生の精神病者観の形成要因に関する一考察 : 看護学生の "とらわれ"、主観的幸福感、精神病者観の変化および患者の症状の関係から
- 看護職・福祉職に対する学生のイメージに関する研究
- 精神看護実習における看護学生への介入に関する一考察 : 統合失調症および気分障害患者の症状のプロフィールと看護学生の眺める「風景」に焦点をあてて
- 職場暴力の被害に遭った看護者への支援について看護管理者に考えてほしいこと (特集 暴力に対して看護管理者ができること--職員の安全を守るために)
- 暴力被害を口に出せない看護者の心理から考える 被害者支援システムの構築 (特集2 暴力、そのあとに。--被害にあったスタッフへの、職場としての対応)
- 精神看護実習をおこなう看護学生の眺める「風景」の視覚化 : データマイニングとその活用
- 職場暴力とは何か--暴力をめぐる現状とその背景 (特集 保健医療現場における職場暴力について(1))
- わが国の医療機関において看護者が受ける職場暴力の現状と課題(第1報)患者から受ける暴力被害の実態