栄養摂取コストの推計 : 昭和32〜56年全国平均農家
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概要
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経済発展に伴う1人当たり所得水準の上昇につれて消費者は食料消費の目的に関し,相対的に栄養摂取から栄養以外の要素を重視すると一般に推測される。本研究では,昭和32〜56年度の『農民栄養統計』データを用いて,この広く受け入れられている仮説を実際に検証する。そのため,Lancaster流の特性需要理論を援用することにより,栄養への最小支出を表す「栄養摂取コスト」・を推計する。この推計値は,観察された栄養水準を制約条件とする線型計画の栄養問題を解いて求められる。「栄養摂取コスト」の実際の食料支出額に対する比として定義される「栄養摂取コスト・シェア」が農民にとっての栄養の相対価値の指標となる。分析の結果,所得一特に農外所得の成長が,栄養以外の要素に比べ栄養の限界価値を低下させた一方,栄養の相対価格は栄養の価値に正の有意な効果を与えていることが明らかにされる。
- 帯広畜産大学の論文
- 1991-06-30
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