グループ分けされたグロス・セクション・データからの需要体系推定
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概要
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消費構造の需要体系分析は時系列集計データについてよく行なわれているが,個別世帯の消費行動に関するクロス・セクション分析に適用された例は少ない。小稿では,需要体系分析の枠組に依拠してわが国勤労者世帯における費目別需要の価格,所得,世帯属性に対する反応を数量的に検討する。分析モデルは,最低拘束支出が属性に依存するように改良したExtended Linear Expenditure System (ELES)である。本報告の方法上の重要な特徴は,ELESのパラメータを昭和54年全国消費実態調査の公表データから,間接的一般化最小二乗法によって効率的に推定した点にある。当計測法によると,公表データにおける様々なグループ分けされた平均データをプールして需要体系の計測に利用することが可能である。分析はELESのパラメータ推定値と,その推定値に基づいて算出された各種の弾力性を利用して行なわれる。その結果,食料費目の需要は,所得および世帯の属性に有意に影響されるが,価格反応はかなり非弾力的であることが見出される。
- 帯広畜産大学の論文
- 1986-06-01
著者
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