生鮮肉の選好構造に関するノンパラメトリック分析
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概要
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選好の分離可能性は,それが2段階支出配分一第1段階で決定された財グループ支出が個別の財の購入に更に配分される一を含意するため,実証的需要分析において非常に有用な概念である。グループ内の特定の財の需要は当該グループに含まれる財の価格とグループ全体への支出額にだけ依存するから,需要関数計測に伴う測定上およびデータ収集上の問題はかなりの程度軽減されうる。本稿では,肉類消費に関するわが国家計の一人当たり年次データを吟味して,生鮮魚介・肉類が他の財から分離可能であるかどうか検証をおこなう。ノンパラメトリック・アプローチを適用した分析の結果,生鮮魚介・肉類は他のいくつかの財群とともに分離可能とみなせることが明らかにされる。この様にいくつかの財群について分離可能性が受容されるのはノンパラメトリック・テストの低い検出力に拠るのかもしれないが,わが国家計の生鮮肉消費パターンが生鮮魚介・肉類に含まれる財の価格と生鮮魚介・肉類への総支出額だけで説明可能であることは確かである。生鮮魚介・肉類と他の財の間の強分離可能性もテストされるが,その成立は立証されない。
- 帯広畜産大学の論文
- 1990-06-30
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