熱電効果による体表循環の研究VII : 部位による体表循環動態の相異
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概要
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1.熱電効果による体表循環測定法により,gallamine非動化,人工呼吸下のネコの耳介内面,前肢部および前額部の皮膚血流を測定し,部位による循環動態の相異にっいて検討した。2.3部位の血流および全身血圧に対する自律神経薬ならびにpapaverineの作用,および自律神経遮断薬の影響を観察・記録した。3.耳介内面皮膚の循環にはadrenergicα型の減少機構の関与が大きく,adrenergicβ型およびcholinergicな増加機構の関与は少なかった。またpapaverineによる血流増加機構は少なく,血圧依存性がかなり認められた。4.前肢部皮膚の循環には,自律神経性の血流増減機構の関与があるが,いずれも強力なものではなかった。またpapaverineによる血流増加機構はかなりの程度存在するが,血圧依存性は比較的少なかった。5,前額部皮膚の循環にも,前肢部と同様の自律神経性血流増減機構の関与があるが,とくにadrenergicβ型の増加機構が強かった。またpapaverineによる血流増加機構は明らかであるが,血圧依存性は3部位中最も弱かった。6.以上のごとく,ネコにおいても部位による皮膚循環動態に微妙な差があり,これが皮膚の部位による機能の違いにかかわりを持つ可能性がある。このことについては別途の実験により明らかにしたいと考えている。
- 千葉大学の論文
著者
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萩原 弥四郎
千葉大学医学部脳機能研究施設
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萩原 弥四郎
千葉大学神経薬理
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萩原 弥四郎
千葉大学高次機能制御研究センター
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水谷 元雄
千葉大学医学部脳機能研究施設
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萩原 弥四郎
千葉大学医学部 脳機能研究施設
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