サイレージの品質に及ぼす埋蔵時の空気混入率の影響 : III細切の影響との関連性

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高水分,予乾中水分および予乾低水分の3種のイタリアンライグラスを用い,埋蔵時の空気混入率の差異にもとづくサイレージの品質差が,細切の有無によって影響を受けるかどうかを検討するためこの試験を行なった。各材料とも,埋蔵量を600kg/m^3,450kg/m^3および300kg/m^3の3段階として空気混入率を変化させ,各段階ごとに不細切および細切の2処理を設け,すべて密封方式で埋蔵した。各埋蔵段階における空気混入率は,高水分材料では42.8%(600kg/m^3),57.1%(450kg/m^3)および71.4%(300kg/m^3),予乾中水分材料ではそれぞれ45.1%,58.8%および72.5%,予乾低水分材料ではそれぞれ47.3%,60.5%および73.6%であった。高水分材料によるサイレージの品質は,全般的に満足すべきものではなかったが,不細切,細切区とも空気混入率が少ないものほどよく,空気混入率が多くなるにしたがって低下し,空気混入率の差にもとづく品質差が明らかに認められた。また細切により,乳酸含量とともに酪酸含量およびアンモニア態窒素比率も高まり,細切の直接的な品質向上効果はみられなかった。予乾中水分材料によるサイレージの品質は,全般的に高水分の場合よりかなりよく,不細切,細切区とも空気混入率の差にもとづく品質差が認められ,いずれも空気混入率が少ないものほど優れていた。また細切により,乳酸含量の増加,酪酸含量およびアンモニア態窒素比率の低下がみられ,細切の品質向上効果が認められた。予乾低水分材料によるサイレージの品質はすべてがきわめて優秀であり,不細切,細切区とも空気混入率の影響はほとんどなく,また細切の影響も認められなかった。
日本草地学会の論文
1968-12-20

サイレージの品質に及ぼす埋蔵時の空気混入率の影響 : III細切の影響との関連性

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