水稲ホールクロップサイレージと濃厚飼料の異なる給与比下における尿素添加が飼料価値に及ぼす影響

概要

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水稲ホールクロップサイレージ(WCSRP)の有効利用を図るために,異なる比率で給与したWCSRPと濃厚飼料の飼料価値における尿素添加の影響を検討した。メン羊6頭を用いて,WCSRPと子牛用濃厚飼料との乾物給与比を10:0,6.5:3.5及び3:7の3処理を設定した。それぞれの処理に尿素を乾物当たり2%添加し合計6処理とした。飼料は自由摂取とした。実験は二組の3×3のラテン方格法により消化試験と窒素出納試験を実施した。乾物摂取量は,濃厚飼料の給与割合が高くなると多くなったが,尿素添加により増加しなかった。乾物とNDF消化率は処理間に差がなかった。粗蛋白質のみかけの消化率は尿素を添加すると高くなり,特に,WCSRP単一給与時に尿素の添加効果が現れた。しかし,窒素蓄積量は濃厚飼料の給与比が高くなると多くなったが,尿素の添加効果は小さかった。異なるWCSRPと濃厚飼料との給与比に対する尿素の栄養価の改善効果は明らかでなかった。第一胃液の酢酸濃度(mo1%)は,WCSRP単一給与時に尿素添加により低下した。第一胃液中のNH_4-Nと血漿中の尿素態窒素濃度は,尿素を添加することにより著しく上昇した。
日本草地学会の論文
1995-01-31