チモシー(Phleum pratense L.)優占草地へのアカクローバ(Trifolium pratense L.)追播 : II. 草地表層の撹拌,掃除刈りおよび窒素施肥管理の違いがチモシーの再生抑制に及ぼす影響
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概要
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更新時における草地表層の撹拌,追播後の掃除刈りおよび追播2年目の早春の窒素施肥が,既存のチモシー(以下TYと略す)の再生とアカクローバ(以下RCと略す)の定着に及ぼす影響について検討するため数種類の試験を行った。草地表層の撹拌処理として,ディスクハローまたはロータリハローを用いて,それぞれ深さ約10cmで草地全面を撹拌した全面処理と駆動ホイル型施肥播種機を用いた作溝処理の合計3処理区を設けた。全面処理では撹拌の強度を通常の砕土作業並に強めたため,TYの再生抑制程度は極めて強く,RCは追播年の秋から冠部被度が高まって優占した。作溝処理では供試草地の約10%を撹拌したが,TYの再生が旺盛なためRCの生草重割合の向上効果は追播2年目の2番草以降に表れた。したがって,全面処理法としてはTYの著しい再生阻害を起こさない程度の撹拌強度について,今後検討が必要である。作溝処理ではRCの生草重割合の増加速度を向上させるための改善技術を検討する必要がある。追播後の掃除刈りはRCの定着を促進し,その効果は作溝処理において顕著であった。また,草地表層の撹拌処理方法の違いにかかわらず,追播2年目の早春の窒素施肥はRC率を低下させた。
- 日本草地学会の論文
- 1991-01-31
著者
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