推定TDN摂取量による草サイレージの評価例

概要

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1. 1966年および1967年における,北海道根室地方産草サイレージ31点の品質,飼料成分,推定可消化養分含有率ならびにETIなどを調査し,それらの相関関係およびETIによる評価法などを検討した。2. ETIは,泌乳牛が草サイレージから摂取できるTDNの量をkgで示した値であるから,TDNよりも飼料価値の差を明確に示すことができる。ETIの平均値は7.42kgで,5.03から9.37kgの範囲であり,変異係数は13.9%であった。すなわち,ETIで表わすと最低と最高の飼料価値は約2倍の差異があり,またその差が4.34kgであることは,乳牛の維持養分量に匹敵する大差であることを示している。3.これに反し,推定TDN含有率の平均値は60.1%で,51.3〜67.9%の範囲であるが,変異係数は5.7%となり,平均値に近いTDN含有率のサイレージが多い結果となった。4. ETIは推定TDN含有率よりも,草サイレージの品質とより高い有意の相関関係を示した。5. ETIは,サイレージの品質と飼料価値の総合的な比較基準と考えられるが,さらにサイレージ主体飼養地域においては,給与飼料の過不足を容易に算出する方法として活用することができる。
日本草地学会の論文
1968-12-20