チモシー(Phleum pratense L.)優占草地へのアカクローバ(Trifolium pratense L.)追播 : I.パラコートによるチモシーの再生抑制と簡易な播種床処理法
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概要
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チモシー(以下TYと略す)優占草地にアカクローバ(以下RCと略す)を追播・定着させるため,接触型除草剤パラコート液剤を用いて,既存のTYの再生を抑制する方法について探索し,併せて簡易な播種床の処理法についても検討した。本試験においては,既存牧草・TYの再生は,パラコート液剤50-100ml/10aで顕著に抑制された。このような低濃度での抑制効果の発現は,高温・乾燥状態での散布処理にもとづくものと推察される。散布時期では8月散布より7月散布の抑制効果が大きかった。さらに散布時の草丈が低いほど,また,再生期間が短いほど抑制効果が大きい傾向にあった。ただし,再生期間が極く短い場合(10日間)の抑制効果は小さかった。このことから,パラコート液剤の処理効果は,既存牧草の草量や生育段階によってもかなり影響されると推察される。なお,ディスクハローによる簡易な草地表層の物理的処理によっても既存のTYの再生をある程度は抑制できることがわかった。追播RCの発芽・定着は,高温,乾燥条件にある場合には,特に播種床条件が大きく影響し,作溝条播(PTS区)や表層撹拌・鎮圧(D区)により発芽定着を高めた。一方,追播後の水分条件が十分なときには,パラコート液剤散布の有無の影響が大きく,散布区ではRCの出芽数が播種床の条件にかかわらず多かった。
- 日本草地学会の論文
- 1989-10-31
著者
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