脳神経外科手術に必要な情報テクノロジー(<特集>「青山学院大学理工学部・北里大学医学部第2回」合同公開シンポジウム「医療と健康に役立つ情報テクノロジー」)

概要

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脳神経外科手術の遂行に必要な患者情報,機器情報あるいは手術支援機器などの現状や進歩についていくつかを取り上げて解説した。CTやMRI機器の進歩は脳神経領域の病態解析や診断に革命的な影響を与えた。最近では3D画像などの形態情報ばかりでなく機能情報まで提供できるようになった。Microsurgeryの進歩も治療手段として画期的な進歩であったが,さらに神経内視鏡,血管内治療などの進歩で低侵襲手術が行われるようになってきた。ニューロナビゲーターを用いて頭蓋内の操作位置を座標として表示したり,腫瘍細胞の性質を応用して蛍光を発色させる化学的ナビゲーションも安全かつ精緻な情報として応用されつつある。手術中に各種電気生理学的モニタリングを利用して構造物の同定や機能の確認を行う方法や,患者さんの麻酔を覚醒させて言語や運動機能を確認しながら機能温存を図る方法も積極的に取り入れられている。近未来には手術に必要なたくさんの情報を提供してくれる機器を統合した知能的手術室(intelligent OR)が各地域の基幹医療施設に標準化装備されるであろう。
北里大学の論文
2006-06-30