G-AODVプロトコルの通信オーバヘッド削減および経路短縮効果の評価(セッション4:MANETルーティング)

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AODVやDSRといった経路探索要求メッセージのフラッディングに用いたアドホックルーティングプロトコルでは、送信元移動コンピュータから到達可能なすべての移動コンピュータがこのメッセージのブロードキャストを行なう。特に移動コンピュータの分布密度が高いアドホックネットワークでは、ブロードキャストストームが問題となり、バッテリ消費の増大と制御メッセージの衝突による接続性の低下を引き起こす。本論文では、送信元移動コンピュータと同一のグループに属する移動コンピュータのみが経路探索要求メッセージのフラッディングに参加する手法を提案し、AODVの拡張プロトコルとしてG-AODVを提案する。ただし、G-AODVではすべての移動コンピュータがフラッディングに参加する場合と比べて経路の検出率が低下するすなわち接続性が低下する問題や検出される経路が長くなる問題がある。そこで、受信した経路探索要求メッセージのブロードキャストを行なうか否かの判定を移動コンピュータの分布密度に応じて動的に変更する手法を導入する。さらに、他のグループに属する移動コンピュータが短縮経路を提供することが可能であることを制御メッセージの交換なしに検出して1ホップからなる短縮経路を提供する、あるいはごく限られた制御メッセージの交換のみによって検出して複数ホップからなる短縮経路を提供する場合にのみ配送経路に加わるPCMTAG(他グループのメッセージ配送への消極的貢献手法)を提案する。シミュレーション実験によりG-AODVとRCMTAGを用いることによってAODVを用いる場合と比べて、通信オーバヘッドは31.7%削減され、9.6%短い経路を検出することができる。このとき要する追加オーバヘッドは、4.5%長い経路探索時間と0.1%の接続性低下であった。
一般社団法人情報処理学会の論文
2007-09-27

G-AODVプロトコルの通信オーバヘッド削減および経路短縮効果の評価(セッション4:MANETルーティング)

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