軽種若齢牝馬の分娩行動事例解析
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概要
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サラブレッド種若齢牝馬の第2産分娩生態を観察・記録し,娩出開始前行動を精査した。また,分娩行動を本能行動と環境依存的行動に区分し,分娩前後で比較した。分娩前3日から前日までの夜間から早朝に「睡眠」が減少し,「敷藁内探索」が増加した。「敷藁内探索」は前日夕刻から急に増加し,開始前1時間の大半はこれに消費された。約10分間の強い陣痛後午前0 : 39に娩出が始まり,娩出終了に6分弱を要した。子馬の胸座位での移動後,娩出終了22分後に母馬が子馬を嗅いで舐め始めた。さらに37分後に母馬は起立したが,すぐに座り,再起立に32分を要した。子馬は出生の121分後に起立し,すぐに吸乳し始めた。本能行動としての「敷藁内探索」は分娩後よりも分娩前3日間に有意に多く,同行動の「警戒」は分娩後に多かった。環境依存的行動としての「立位」および」「胸座位」は分娩前に少なく,同行動の「睡眠」は分娩前に多かった。「摂食」は分娩後に増加した。午前午後の比較では,「敷藁内探索」が午後に,環境依存的行動としての「立位」が午前に有意に多かった。
- 明治大学の論文
- 2007-03-30
著者
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小林 茂樹
明治大学農学部環境動物管理学研究室
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李 俊佑
東京大学大学院高等動物教育研究センター実験資源動物科学
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小林 茂樹
明治大学農学部
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李 俊佑
東京大学大学院農学生命科学研究科高等動物教育研究センター
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高倉 彩
明治大学農学部農学科環境動物管理学研究室
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野村 朋美
明治大学農学部農学科環境動物管理学研究室
-
小林 茂樹
明治大学農学部農学科環境動物管理学研究室
-
高倉 彩
明治大学農学部環境動物管理学研究室
-
李 俊佑
東京大学大学院 農学生命科学研究科
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