唾液中コルチゾール測定によるイヌの情緒ストレスの評価
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概要
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イヌの唾液中コルチゾールを情緒ストレス負荷の前後で測定し,非侵襲的に採取できる指標物質として評価した。2ないし10才の雑種を含む10頭のイヌを3群に分け,3種の情緒ストレスを午後に与えた。うち4頭には日を変えて2種のストレスを与えた。A群の供試犬は通常通り30分間飼主と供に逍遥した(対照区)。B群の供試犬は飼主および他人(初対面)と共に同時間逍遥した。C群の供試犬は他人(初対面)だけに伴われて同時間逍遥した。イヌ唾液は脱脂綿を使って採取後,濾過滅菌し,コルチゾール測定に供した。測定にはヒト血清用コルチゾールキットを用いたため,測定条件の一部を変更し,滑らかな標準曲線を得た。A,B.およびC群におけるストレス負荷前の平均コルチゾール濃度はそれぞれ0.692±0.511μg,0.538±0.515μg,および0.653±0.458μgであった。これらはストレス負荷後にB群で2.22±0.59倍に,C群で1.93±0.54倍に増加し,対照区における増加率よりも大きかったが,その差は有意でなかった。ストレス負荷後のコルチゾール増加率を若令雌犬(2〜3才)と成熟雌犬(5〜10才)の間で比較した結果においても,有意差は認められなかった。供試頭数の少なかったことおよび個体間コルチゾール値変動の大きかったことが,差の検定に影響した。ストレス負荷に反応してカテコールアミンと共に分泌されるクロモグラニンAが,イヌにおいても情緒ストレス指標として評価できるか検討する必要がある。
- 明治大学の論文
- 2004-09-25
著者
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小林 茂樹
明治大学農学部環境動物管理学研究室
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木下 智乃
日本クレア(株)
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大関 彩花
明治大学環境動物管理学研究室
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木戸 康成
明治大学環境動物管理学研究室
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小林 茂樹
明治大学環境動物管理学研究室
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小林 茂樹
明治大学農学部農学科環境動物管理学研究室
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