アミノ基修飾カーボン電極を用いる次亜塩素酸センサー(<特集>機能性界面と分析化学)

概要

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カルバミン酸アンモニウム水溶液の電解酸化によりアミノ基を導入したグラッシーカーボン電極を作製し,このアミノ化電極を用いて次亜塩素酸の選択的なアンペロメトリック及びクーロメトリックな測定に応用した.その結果,アミノ基を導入しない電極と比べ,アミノ基導入電極ではpH7付近の中性領域において次亜塩素酸の還元波が0.4V程度貴にシフトし,溶存酸素の妨害を全く受けない次亜塩素酸の還元波が+0.6V vs. Ag/AgCl付近から得られることが分かった.還元波が貴に大きくシフトする理由は導入された窒素原子を含む触媒活性点の働きにより,電子移動反応の活性化エネルギーが大幅に低下したからであると考えられる.また,アミノ基導入した多孔性のフロースルーカーボンフェルト電極を検出器として用いたフローインジェクション分析を行ったところ,酸素の妨害を受けずに水道水中の残留塩素が測定できることが明らかとなった.本研究は窒素原子導入処理したカーボン電極の電気化学分析における有用性を初めて明らかにしたものであり,他の分析成分への応用が期待される.
2007-06-05