発話障害者支援のための音声生成器 : その研究アプローチと設計概念(聴覚・音声・言語とその障害,一般)

概要

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我々は、構音機能の補完を目的として、楽器のように指の動きで操作できる携帯可能な音声生成器を提案している。特に、ヒトの音声認知過程を重視しながら、できるだけ少ないパラメータで音声生成ができるという点に主眼を置いて研究を進めている。本報告では、この音声生成器の設計指針を得るために、パソコン上で作成したホルマント音声合成ソフトを用いてモデル試作し、以下の2点について調べた。(1)発話した単モーラ音声から合成パラメータ抽出し、音声合成の聴取実験により本音声生成器に必要と思われるパラメータを求めた。(2)次に、連続音声を指の動きで生成できるようにペンタブレットを用いた音声生成実験を行った。その結果、単モーラ音声では乱流音は欠かせない音源であることが確認されたが、連続音声の場合は、乱流音成分を含まなくても、F1-F2平面に対応するタブレットを一本のペンでなぞる方法でホルマント遷移を作ることによりある程度認識し得る音声を合成できた。以上から、本研究で提案している音声生成器を開発する上で有用な設計指針が得られた。
社団法人電子情報通信学会の論文
2007-03-19