インテリア内装材の色彩とそれらの配色について

概要

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各種のインテリア内装材について,それぞれの色分布を測定調査し,これらの部材を使用して,リビングおよび個室をコーディネートする場合,好ましい配色をシミュレーションによって40名の被験者による判定を行い評価した.提供されたサンプルおよび店頭展示サンプルについて分光測色器による測色を行い,得られた測定値を変換してマンセル表色値H,V/Cとし,これを色分布図(Color scale)に表し,8種2,346点のインテリア内装材の色の特徴を明らかにした.おのおのの内装材における色分布の特徴はつぎのとおりであった.1)床:木質の色に天然色と人工色との違いがあらわれた.天然の木質床材の特徴が中明度,低彩度の暗く,くすんだ色調であるのに対しフロアタイルは全体的に中明度,中彩度で木質床材とは逆の高明度,高彩度もあらわれ,人工的な色調をもつことであった.カーペットの色相は他の仕上げ材にくらべて豊富で中明度,低彩度に集中し,全体の7割程度がYやYR系の暖色で,住宅用には暖かい色空間を求めている.2)壁:全体の9割が高明度,低彩度領域に分布した.サンゲツの見本帳は全色相域にわたり品揃えされているのに対して,壁紙専業のメーカーであるトキワ工業(株)の見本帳では高明度,低彩度のYR,Yに集中した.またサンゲツの売れ筋の商品では高明度,低彩度YR,Yに限られた.3)天井:色相は9YR〜6Yに分布する.明度は9〜10での出現頻度が高く,壁紙よりも明度が高い.彩度はほとんどが0〜1であった.色相はB,PBにまで拡がるが,この場合低明度,中彩度および低明度,高彩度域のトーンは存在しない.4)幅木:壁と同系色または床の色相,材料と同じものが多く,中明度,低彩度に集中した.5)ソファ:色相は他にくらべ豊かであり,多彩な着色が施された商品が展示されるようになった.6)カーテン:ソファ同様,アクセントとして取り扱われるため,色彩は豊富である.つぎに,これらの色分布の測定調査に基づいて,部材ごとに得られた代表色の測色値からカラーピッカーを用いてコンピューターデスクトップ上に近似色として再現させ,シミュレーションに供した.ここでは床材の色相を実際に汎用されているナチュラル色(0.4Y6.14/4.42)とグレー色(8.6Y4.38/2.94)を基準にした.好ましい配色となった画面では,H/L(明度/彩度表示)のトーンが主になる壁紙では色相による差違はあらわれにくく,同系色のYの配点が高く,リビングにおいてはGY,BGが,個室においてはB,PBの配点が低く,対照色相や反対色相が好まれない傾向であった.床材がグレー色の場合,ナチュラル色にくらべて,トーン対比が利いて全体的に配点が高かった.トーンによる差違はH/Lの配点が高く,H/M,M/L,M/Mと順を追い配点が低くなることがあげられ,これは各色共通にみられる結果であった.グレー色の床の配点が高くなるのは明度対比が利いているためと考えられた.

インテリア内装材の色彩とそれらの配色について

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