子宮癌集団検診効率化に関する研究 : 特に受診間隔について

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今日,子宮頸癌の発見・治療において集団検診の果たしている役割は大きく,その普及は著しいものがある。しかし,一方では同一受診者の繰り返し検診による癌検出率の低下と検診数の増加が問題となってきており,特に老人保健法の実施にともなう検診対象の大幅増加とあいまって,受診間隔の問題がクローズアップされてきた。今回,早期癌発見に関する適切な受診間隔設定を目的に以下の研究を行った。対象は千葉県内で集団検診を開始した1968年より1985年までのうち,千葉県対癌協会で検診車によって婦人科集団検診を行った1972年以降の1,072,075例を対象とした。検診にて検出された子宮頸癌は1,436例で,その検診歴をみると初回受診者1,212例(84.4%)1回以上の受診歴を有した者は224例(15.6%)であった。このうち上皮内癌の検出は初回検診で730/1212(60.2%)であったが,前回検診後1〜3年では157/195(80.5%)と上昇し,4〜5年では18/29(62.0%)と再び減少した。この事は子宮頸癌スクリーニングのための集団検診の受診間隔は3年毎で良いことを示唆している。しかし,前回受診後1〜2年以内に癌が発見されたものについては,新たな癌発生とは別に,前回細胞診における採取法の問題,検体処理方法の問題,判定の誤り等が考えられる。前回の検体を再検すると,再検後も陰性であったのは,81.5%で,18.5%はscreening errorと思われる症例であった。以上,子宮頸癌検診の効率化については,細胞診の,慎重なる採取,検鏡と共に,受診間隔は3年以内とする必要があることが示唆された。
千葉大学の論文
1989-11-01

子宮癌集団検診効率化に関する研究 : 特に受診間隔について

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