地域文化の生成と変容 : 油津の「飛次郎延え漁」の事例から
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概要
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「飛次郎延え漁」は、宮崎県日南市油津沿岸を中心に小型漁船によって行われているトビウオ延縄漁法をいう。「飛次郎」とは、鹿児島県南部でとれるトビウオの一種の魚名から由来している。この漁法による主な漁獲対象物は商品価値の高いホソトビウオとハマトビウオである。トビウオ漁は、流通の発達でマグロの餌から鮮魚にその漁獲の目的が変わってきた。その上、夏から秋の間行われていた漁期が翌年の春まで伸びるようになった。本稿は、このような社会、経済、生態という巨大な環境変化に対して戸惑いながら対応していくトビウオ延縄漁師のライフ・ヒストリーをとおして地域文化の生成、変容過程を明らかにする。ローカル資源のトビウオ漁が育む地域文化は、実践の民俗知として持続可能な資源利用において潜在的な意味をもつと思われる。
- 2006-03-20
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