エナメル上皮腫の臨床病理学的研究 : 第1報教室過去11年間の症例検討

概要

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過去11年間の当科におけるエナメル上皮腫27症例について,臨床病理学的に検討を行った。(1)初診時年齢の分布は,20歳代がピークで1/3を占め,全症例の平均は30.1歳であった。性別は男性19例,女性8例であった。(2)無痛性を主訴に受診する症例が17例(63.0%)で,最も多かった。また,何らかの疼痛を主訴としたものが8例,下口唇知覚麻痺が1例に認められた。(3)発生部位は,下顎25例,上額2例であり,臼歯部から下顎枝に好発していた。(4)X線像は,多房性15例(55.5%),単房性10例(37.0%),蜂巣状1例であった。また腫瘍内に埋伏歯牙を有するものは8例(29.6%)で,若年者に多かった。(5)外科的根治処置を行った12症例において再発は認めず,単純摘出および掻爬を行った4症例中1例に再発が認められた。(6)開窓療法を行った症例は11例で,そのうち6例は開窓効果がみられなかった。(7)病理組織分類では,plexiform typeは若年者に,follicular typeは高齢者に多い傾向を示した。
千葉大学の論文
1992-10-01