コードの解読としての読み : 「指標的」物語を中心に
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概要
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物語には大きく分けて二つのタイプがある。一つは出来事中心の物語で、ロラン・バルトはこの種の物語を「分布的」または「機能的」と呼ぶ。もう一つはバルトが「組み込み的」または「指標的」と呼ぶタイプである。後者のタイプの物語では、出来事それ自体よりも、出来事に対する読者の受容や認識の程度が問題となる。ウラジミール・プロップらによって先鞭をつけられた物語の構造分析の方法は、バルトが「機能的」と呼ぶ物語構造の記述には有効であったが、「指標的」な物語構造の記述にはあまり有効ではない。バルトは『S/Z』で物語を読む際に私たちが参照する五つのコードを同定し、それぞれを「行為のコード」「解釈のコード」「文化のコード」「含意のコード」「象徴のコード」と呼んだ。以下の拙論では、バルトが同定した五つのコードをもとに、「指標的」な物語構造の記述の可能性を探る。
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