パリ記号論学派による物語の記号論的分析の試み
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概要
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物語は出来事を記述した言説である。しかし、出来事を単に時間系列に従って記述しただけでは言説は物語にならない。時間系列に沿って羅列された出来事の記述が物語になるためには、無数に発生している出来事の中からどの出来事を選択し、選択された出来事をどのような仕方で結合するかについての原理が必要である。物語構造の普遍的な記述を目指すパリ記号論学派は、物語を言述レベル・物語レベル・深層レベルの三つのレベルに分類する。言述レベルとは人間の五感によってとらえられた要素がテキスト上に具体的に言語化されたレベルである。物語レベルは物語固有のレベルであり、物語行為項のスキーマと物語枠組のスキーマとに下位区分される。深層レベルとは物語の意味を産出する契機となった抽象的な概念のレベルである。以下の拙論では、A.J.グレマスらを中心とするパリ記号論学派による物語の記号論的分析をもとに、具体的なテキストの分析を通して物語構造の記述の可能性を探る。
- 関西大学の論文
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