日本と韓国における産後の母親に対する支援内容と満足度の2国間比較
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概要
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日本と韓国で産後に受けた支援内容や満足度およびニーズを明らかにし,2国間の国際比較および産後ケアや支援体制を考える際の資料とすることを目的とし,産後1ヵ月の日本72名,韓国74名の計146名の母親を対象として,聞き取り調査および自記式質問紙調査を行った。日本では「安心して育児に取り組んでいる」と回答した者が51.5%だったのに対し,韓国では20.0%であった。両国とも産後に困ったことは「乳房のこと」が最も多かった。出産前に学んだことの情報源は,日本では「専門的な情報源」,韓国では「テレビや本」が多かった。両国とも,育児が「思っていたより大変」と答えた者が「まだ支援が必要である」とする割合が高かった。韓国では,産後ケアセンターを利用している者が35.1%であり,産後の支援に満足していた。一方,日本では産後ケア事業制度はあるものの利用している者はいなかった。韓国では高度な都市化,核家族化で,家族の支援が受けづらくなっており,それを補うために,産後ケアセンターという中間施設が充実している。今後日本では,家庭へ出張し援助する助産師の増加や,産後ケアセンターの設立も視野に入れた産後ケア事業の充実が急務である。
- 日本母性衛生学会の論文
著者
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八代 利香
鹿児島大学医学部保健学科看護学専攻
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八代 利香
大分県立看護科学大学広域看護学講座国際看護学
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八代 利香
公立大学法人大分県立看護科学大学広域看護学講座 国際看護学研究室
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吉留 厚子
大分県立看護科学大学
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吉留 厚子
鹿児島大学医学部保健学科看護学専攻
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