C型慢性肝炎の治療戦略
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概要
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C型肝炎ウイルス(HCV)感染症は、自然治癒が稀で、自覚症状に乏しく、長年の経過で慢性肝炎から肝硬変や肝臓癌へ進展する。現在、わが国には、HCV 感染者が約200万人いると推定されており、C型慢性肝炎対策は急務とされている。C型肝炎治療薬として、インターフェロン(IFN)は1992年2月から保険診療が可能となり、治療効果向上のため、多くの投与法の変遷を遂げてきた。2004年12月より、Pegylated IFN とリバビリンの併用療法が保険診療に加わり、わが国におけるIFN療法の標準化がほぼ確立されたと言える。C型慢性肝炎におけるIFN療法には、ウイルス駆除を目的とした根治療法とウイルス駆除はできないが肝臓病の進行や発癌の抑止を目的とした進行阻止療法、の2つの側面がある。本稿では、現在のわが国におけるC 型慢性肝炎に対するIFN 標準治療法をまとめ、治療無効者に対して今後期待される新しい治療薬の開発の現況に言及した。 キーワード:C型肝炎、インターフェロン、リバビリン、TGF-β1 、AT1 受容体 Most patients with HCV infection fail to clear the virus and develop chronic hepatitis with a risk of progression to cirrhosis and liver cancer. There are an estimated 2 million HCV carriers in Japan, rendering it a major public health problem.It is the urgent problem to treat the patients with chronic hepatitis C. Interferon has been used as therapeutic agent for chronic hepatitis C since 1992, the treatment modality has been changed. The introduction of combination therapy using both pegylated interferon and ribavirin in 2004 enabled us to design the standard regimen of therapy for chronic hepatitis C. The purpose of interferon therapy for chronic hepatitis C is not only to clear the virus from the host but to prevent the progression of the liver diseases. In this paper, the updated standard regimen of interferon therapy for chronic hepatitis C in Japan is summarized and the future therapeutic intervention of HCV is introduced. Keywords : hepatitis C, Interferon, Ribavirin, TGF-beta1, AT1 receptor
- 山形大学の論文
- 2007-02-15
著者
-
河田 純男
山形大学医学部消化器病態制御内科学講座
-
河田 純男
山形大学器官病態統御学講座消化器病態制御内科学分野
-
河田 純男
山縣大学医学部第二内科
-
河田 純男
大阪大第二内科
-
三沢 慶子
山形大学医学部消化器病態制御内科学
-
斎藤 貴史
山形大学医学部消化器病態制御内科学
-
河田 純男
山形大学 医学部 第二内科
-
新澤 陽英
県立日本海病院
-
河田 純男
山形大学消化器内科
-
斎藤 貴史
山形大学医学部消化器内科学
-
河田 純男
山形大学医学部内科学第二講座
-
斎藤 貴史
山形大学医学部消化器内科
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