バーナード『経営者の役割』出版前後における「マネジメント」 : HBRの掲載論文の傾向とUrwick, L., Management of Tomorrowを中心として
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概要
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アメリカ経営学の歴史において近代組織論を成立させたとされているチェスター・バーナードの主著『経営者の役割』において、management という語が見られる頻度は驚くほど少ない。現在の日本では、広く「経営」ないし「管理」と訳されて用いられる、この語ではあるが、1930年代後半のアメリカ合衆国を中心とする経営学界では、management に関してどのような言説が成立していたのであろうか。本稿では、『経営者の役割』出版前後のmanagement を取り巻く言説を、当時のHarvardBusiness Review の掲載論文に見られる傾向とその中の若干の論考における議論、そして英国人ではあるが、アメリカ経営学の流れに位置づけられているリンダール・アーウィックによって1933年に上梓されたManagement of Tomorrow の議論を検討することを通じて明らかにする。そこから、当時のmanagement が「いわゆる科学的なるもの」を渇望していたこと、それゆえにバーナード理論の方法とは相容れない要素を含んでいたことが提議される。
著者
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