コーポレート・ガバナンスの一側面 : 取締役の忠実義務に関連して
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概要
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株式会社における取締役の義務をどのように規定するかは、コーポレート・ガバナンスを論じるにあたって重要なテーマである。日本の商法においては、取締役の善管注意義務と忠実義務が、規定されているが、最近になって、商法学の分野のみななず、その隣接分野においても、取締役の忠実義務を、英米のエクィティ(衡平方)の判例の中で確立されてきた信認関係における受託者の忠実義務と重ね合わせて実質化しようという議論が見られる。その議論の妥当性を問うことが本稿の直接の課題である。そのために、ます、エクィティ上の信認関係およびその中で忠実義務がもっとも明確な形で現れる信託(trust)の性質を検討し、そのtrustの背景をなすエクィティを輪郭づけるとともに、忠実義務をエクィティのコンテクストの中で明らかにすることを通じて、今後の研究の方向を展望した。
著者
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