知覚特性を考慮したインパルス応答補償法についての一検討 : 群遅延操作の弁別閾の周波数依存性について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本報告では,2肢強制選択を用いて群遅延操作による音の違いの周波数依存性を示す.この実験により,インパルス応答補償において知覚されない誤差を許容するための指標の構築を目指す.この許容誤差を利用し,知覚に影響しない伝達関数の補償アルゴリズムの検討を行う.本報告は,人間の聴覚が変化に最も敏感であるパルス列を用いて主観評価を行った.群遅延の操作は,ERB_Nが一定の帯域幅の中心周波数で,様々な変動量を持たせるよう行った.主観評価の結果,1000Hzより低い周波数では弁別が困難であること,1000Hz以上では弁別域の境界が周波数によって異なることが示された.また,群遅延に負のピーク値がある場合,正のピーク値より弁別境界が狭くなることも明らかとなった.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2006-11-16
著者
関連論文
- 音の持続時間が音源の大きさ知覚に及ぼす影響 : 母音刺激を用いた検討(日本基礎心理学会第28回大会,大会発表要旨)
- 視聴覚統合を利用した非言語的手段による音色知覚の評価について
- スペクトル距離に基づく声道長正規化のための周波数帯域の選定について (応用音響)
- 視聴覚統合における刺激音の時間-周波数的特徴と視覚刺激の形状特徴の検討 : 人間の知覚特性に基づく音楽の可視化システムに向けて(インタフェース)
- 再合成音声の品質に対する音声スペクトル包絡推定法の影響について(感情音声,韻律,声質,音声生成・知覚,脳機能,一般)
- ユーザ感情理解に向けた実環境音声情報案内システムの収集発話分析(言語解析, 対話)
- 分析時刻に依存しない周期信号のパワースペクトル推定法を用いた音声分析(ディジタル信号処理)
- TANDEM-STRAIGHTおよび時変モーフィングのための研究用インタフェースの開発について(聴覚・音声・言語とその障害,一般)
- 実時間操作インタフェースへの応用を目的とした歌唱モーフィング操作パラメタの時系列への拡張について(音響信号処理)
- 基本周波数情報に基づく線形予測と時間軸伸縮を利用した非周期成分の抽出について(音声合成・声質変換,第10回音声言語シンポジウム)