健康生成に寄与する,WillとJoyであらわされるスピリチュアリティ

概要

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本研究の目的は,健康に寄与するスピリチュアリティを首尾一貫感覚SOC(sense of coherence,)概念との関連よりモデル化することである.大学生201名(男性=98名,女性=103名,年齢20.4±1.70歳)を対象にSBAS-TESTとSOC質問票を試行し,両テストの総得点間,ならびに両テストの各下位領域間における相関係数を算出し,スピリチュアリティーとSOC概念の関連を模索した.SBAS-TEST総得点(spirituality),その因子Will,JoyとSOC間の相関は,順にr=0.47(p<0.01),r=0.49(p<0.01),r=0.57,(p<0.01)であったが,senseとSOC間には有意な相関がみられなかった.SBAS-TESTとSOC質問票の下位概念(理解可能性,処理可能性,有意義性)とでは,順にr=0.28(p<0.05),r=0.39(p<0.01),r=0.19(p<0.05)となり,Will,Joyと「理解可能性」,Willと「処理可能性」の間のみに有意な相関が得られた.この結果より,健康に寄与するスピリチュアリティは,超越的次元への感性(Sense)よりむしろ現実認識(comprehensibility)と,何とかやっていけるという信頼感manageabilityに関連している可能性が間接的に示された.
2006-12-01