認知症高齢者の収集癖に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は,認知症高齢者にとっての収集の意味を明らかにすることである。対象者は収集癖のある認知症高齢者7名(男性2名,女性5名)で平均年齢は79.6±6.3歳,MMSEは測定不能〜21点であった。対象者1名につき3〜4日間,収集行動を観察し,さらに収集物品,用途などの項目について質問を行った。行動観察の結果,いずれの対象者も,収集物品,保管場所は特定していた。彼らは,何らかの意味で「生活に必要な」「大事なもの」を「自分あるいは身近な人のもの」と認識して収集し,「自分で管理できる場所」に保管していた。また,収集(物品・用途・所有者),保管(保管場所)の認識は,認知障害の程度と関連している傾向が見られた。さらに彼らは,「自分が手放す必要がある」と納得した時に,物品の回収に応じていた。以上より,援助を行なう際には認知障害の程度を踏まえて行動を理解する必要が示されたが,どのように納得のゆく説明をするかは今後の課題である。
- 県立広島大学の論文
著者
-
高山 成子
県立広島大学保健福祉学部看護学科
-
高山 成子
福井大学 医学部看護学科
-
大津 美香
青森県立保健大学健康科学部看護学科
-
半田 陽子
県立広島大学保健福祉学部看護学科
-
大津 美香
県立広島大学保健福祉学部看護学科
-
多賀谷 悦代
群馬大学医学部付属病院
-
丸山 真希
福井県済生会病院
-
高山 成子
県立広島大 保健福祉
-
高山 成子
福井県立大学看護短期大学部
関連論文
- 介護保険制度による通所系サービス1年継続利用者のサービス内容に対する満足感と関連する要因についての検討
- 痴呆高齢者のケア提供者における職業的満足感
- 軽度・重度痴呆症患者における笑いの種類と笑いを引き出す方法についての研究
- 看護現象の着眼と研究プロセスへの道 : 痴呆症高齢者における質的研究から
- 13.高齢者「大腿骨頚部骨折」の発生と予後 : 日常生活活動の回復には何が必要か(大腿骨頚部骨折)
- 8.ヘルスプロモーションのための健康測定(その3) : ストレス・運動習慣とVO_の関係(第36回北陸甲信越地方会)
- 中等度・重度痴呆症高齢者に残された現実認識の力についての研究 : 看護者との対話から
- 中等度・重度痴呆症高齢者が経験している世界についての研究
- アルツハイマー病高齢者の俳徊行動に関する研究
- 在宅高齢者の通所サービス利用による日常生活活動の変化 : 利用開始時,3ヶ月後,1年後の変化について
- 通所系サービス利用開始1年間における在宅高齢者の主観的幸福感の変化とその関連要因
- 看護学生の装具を用いた高齢者擬似体験に関する基礎的研究 : 重心動揺の変化から
- 看護学生の装具を用いた擬似体験による高齢者理解への効果 : 体験終了後の自由記載内容の分析から
- 看護学生の高齢者擬似体験による学習効果 : 高齢者との同居の有無による比較
- 青年期・壮年期の一般社会人における装具を用いた擬似体験による高齢者理解の効果
- 装具を用いた擬似体験による老人看護教育方法の開発に関する研究
- 認知症高齢者の収集癖に関する研究
- 認知症高齢者の転倒予防管理に関する一考察--認知症重症度別の骨密度,重心動揺,筋力測定結果から
- 特別養護老人ホームでの認知症高齢者の終末期ケア--援助困難点における看護職・介護職の比較
- 看護現象の着眼と研究プロセスへの道
- 高齢者の大腿骨頚部骨折患者の予後、および回復に関わる要因
- 中等度から重度の痴呆患者が入院環境になじんでいくプロセスに関する研究
- 慢性心不全の疾病の自己管理の実態と悪化要因との関連
- 脳疾患患者の障害認識変容過程の研究 : グランデッド セオリー アプローチを用いて
- 回復・慢性期の心不全患者の突然死の可能性:モニタリングと看護介入 (焦点 心不全のディジーズマネジメント--新しい疾病管理と患者支援) -- (心不全のディジーズマネジメントの実践を探る)
- 回復・慢性期の心不全患者のQOL:何を評価するのか,評価尺度と限界,今後の展望 (焦点 心不全のディジーズマネジメント--新しい疾病管理と患者支援) -- (心不全のディジーズマネジメントの実践を探る)