シラス地帯の地下水特性に関する研究 : 第三報 笠野原台地地下水についての考察(補足)
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概要
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シラス地帯の地下水特性に関する研究は完結したわけではないが, 共同研究者の一人阿部がこのたび定年退官の機会に, これまでの研究結果を一応とりまとめて, 一部前報を修正あるいはそれに追加したのが本報であり, その要点は次の通りである.1)笠野原台地は水文学的に孤立した流域ではなく, 鹿屋川の上流部で流路延長約3,000mにおよぶ停滞部から若干の河川水が浸入するが, その水量は年平均降雨流出量の4%にすぎない.2)シラス地帯の流出特性については, i)シラス地帯の年間地下流出は多く, 非シラス地帯のそれの2〜3倍である.ii)年間地表流出はi)の逆である.iii)中間流出および地下水流出は, 降雨時からはじまりその主要部分は4〜6カ月ずれて流出するので, その時の降雨に対する割合でその流出率を表わすことは妥当でない.ずれをさかのぼった降雨に対する割合で表わすべきである.iv)一連降雨の雨量別流出率は200mmまでは20〜30%で余り変わらず, 200〜300mmの中間を境として急に増加する傾向を示し, 500mm前後から90%以上となる.3)鹿児島附近の地下恒温層については10.2m温度18.1℃を採用して大差はない.
- 鹿児島大学の論文
- 1972-03-30
著者
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河原田 禮次郎
生産環境工学
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河原田 礼次郎
Laboratory of Irrigation and Drainage Engineering
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若松 千秋
Laboratory of Farm Land Engineering
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阿部 雅雄
Laboratory of Agricultural Engineering
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