肥大初期における甘藷塊根の組織学的研究-主として澱粉集積機能の品種間差異との関連において : 第2報甘藷諸品種における肥大初期の塊根組織の二, 三特性と収穫時塊根乾物歩合との相関

概要

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1.肥大初期における塊根の2,3組織特性と収穫時における塊根の乾物歩合との相関を, 沖縄100号, 九州34号を含めた17品種について調査した.2.原生木部放射列数, 放射列構成道管数は成熟塊根の乾物歩合に対して有意な相関を示さない(Fig.1およびFig.2).3.中央道管周辺の介在柔組織の発達程度と乾物歩合との相関係数は-0.53で5%水準で有意である(Fig.3).4.木部における大型柔細胞の分裂頻度と乾物歩合との相関係数は-0.77で1%水準で有意である(Fig.4).5.木部柔細胞の含有澱粉粒数と乾物歩合との相関係数は0.85で1%水準で有意である(Fig.5).6.上記の所見に基いて次の3点に関して考察を試みた.a).原生木部放射列数および列構戚道管数は, 成熟塊根の澱粉含有量に関する早期検定の指標として多くの期待は寄せられない.b).3), 4), 5), の事実から, 低澱粉品種では柔細胞から澱粉細胞への転化が不完企で, 澱粉細胞には多分に未成的傾向が保存されている.c).高澱粉品種の組織特性の多くが, 塊恨の肥大性と負の相関関係にあることは, 高澱粉多収品種の育種に問題を残すものである.
鹿児島大学の論文
1964-12-28