土壌病原菌の土壌生態学的研究 : 第4報 白絹病菌に対する土壌諸要素の影響
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概要
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筆者は, わが国における多犯性土壌病原菌の一つである白絹病菌(Corticium rolfsii CURZI)に対する土壌環境要素の影響を土壌生態学的見地より調査した.その結果を要約すると次の通りである.1.本菌は砂質土壌において旺盛に生育し, 粘土質土壌においては生育不良を示した.2.本菌の土壌中での生育の適温は25℃〜30℃で, 最適温度は菌叢discにあつては30℃で, 菌核では25℃, 最高温度は菌叢disc, 菌核共に40℃, 最低温度は菌叢discでは10℃内外, 菌核では15℃内外であつた.3.本菌の生育良好な土壌湿度は10%であつて, 湿度の増加と共に菌の生育は減退した.菌核の場合は土壌湿度20〜40%において良好な生育をなした.4.本菌に対する最適土壌酸度は, 菌叢discでは, pH5.6,菌核ではpH6.0であつて, pH3.8以下およびpH7.4以上では生育不良であつた.5.土壌への有機物の添加は, 本菌の生育を助長する.無機物添加の場合, 過燐酸石灰の添加は, 無添加区よりも菌の生育が良好であつた.硫酸アムモニアおよび塩化加里は, 添加量が増加する場合には菌の生育を阻害した.
- 鹿児島大学の論文
- 1961-11-25
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