アセプロマジン, ジアゼパム, キシラジンのイヌの循環動態に及ぼす影響

概要

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アセプロマジン, ジアゼパムおよびキシラジンの臨床的常用量を静脈, 筋肉内投与し, 循環動態を中心として, 酸・塩基平衡や鎮静効果について比較検討した.併せて, 全身状態や使用目的によるこれら薬剤の選択方法についても検討した.1.アセプロマジンは, 優れた鎮静効果を持つが, 循環器系への抑制が強いので, poor riskのイヌへの使用にあたっては十分な配慮が必要と思われた.2.ジアゼパムは, 循環器系に及ぼす影響が最も少なく, 呼吸抑制や体温低下も軽微かつ一過性であったが, 鎮静時間や筋弛緩作用の面で他の2剤より劣っていた.従って, poor riskのイヌでの短時間の鎮静を目的とした場合の第一選択薬になると考えられた.3.キシラジンは, 循環器系への抑制作用は最も強かったが, 鎮静効果や筋弛緩作用は他の2剤よりも強力であった.従って, 健康犬での長時間の鎮静あるいは強力な筋弛緩が要求される時のみ使用すべきで, poor riskのイヌには危険性が強く, 使用すべきでないと考えられた.
鹿児島大学の論文
1989-03-15