学童における後頭部光駆動脳波の発達的検討 : 安静時脳波との関連で
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概要
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脳発達を検討することを目的として,6歳から15歳に至る健康児童45名と大学生5名に4Hzから20Hzに至る周期閃光刺激を呈示した.安静時脳波と光駆動反応が正中線後頭部から単極で記録され大型計算機によってオートパワースペクトルが算出された.光駆動反応の基本反応パワーパターンと安静時脳波パワースペクトルが各被験者毎に比べられた.年少児では閃光に対する反応性はシータ及びアルファ帯域で顕著である.シータ帯域の光駆動パワーは年齢と共に減少し,年長児及び成人ではアルァ駆動反応がより明瞭となる,中間の年齢(8歳-12歳)では全周波数帯域にわたって顕著な駆動を示すものから,アルファ帯域でも反応性がわずかなものまで広範な反応パターンが示された.アルファ帯域における最大駆動反応周波数は年齢と共にわずかに上昇し,また安静時の優勢アルファ周波数と高い正の相関を示した.これは学齢期の児童における脳成熟の特徴を示すものと思われる.
- 日本基礎心理学会の論文
- 1983-06-30
著者
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