専門学校を卒業した看護婦(士)の学位取得ニードと専門職的自律性に関する研究
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概要
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本研究の目的は、学位取得ニードを持つ看護婦(士)の専門職的自律性の特徴を明らかにすることである。研究対象は、全国の一般病院及び看護専門学校に所属する看護婦(士)1828名である。データは、看護婦(士)の専門職的自律性を測定する日本語版PNQ、学位取得ニードの有無と個人特性を測定する自作質問紙を用い、郵送法により収集した。有効回答は719であり、これを本研究の分析対象とした。その結果、以下の点が明らかになった。(1)専門学校を卒業した看護婦(士)の約40%にあたる看護婦(士)が将来に向けて学位取得ニードを持ち、その内の約30%が看護学士の学位を取得したいという意志を持っていた。(2)専門学校を卒業した学位取得ニードを持つ看護婦(士)は、患者との相互行為において、実施しようとする看護に関する情報を積極的に提供し、患者自身の看護への参加を促進することに自律的に行動する傾向がある。また、その反面、専門学校を卒業した学位取得ニードを持つ者護婦(士)は、病院において看護職としての立場からイニシヤチブを発揮し責任を持って行動すること、あるいは、入院生活においてさまざまな制限を余儀なくされる患者の代弁者として可能な限りその権利を擁護することには、自律的に行動していない傾向がある。
- 日本看護教育学学会の論文
- 1999-03-31
著者
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