RDP運動方向識別課題における事象関連電位の検討(マルチモーダル情報処理とインタフェース&応用システム及び一般)

概要

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物体の運動方向を認識する脳内機構としては後頭から頭頂へかけてのルートが知られているが、この処理の時間的な側面に関してはまだ良く分かっていない点が多い。本研究では、形の情報を持たないと考えられるRandom Dot Pattern (RDP)を実験タスクとして使用して、RDPの運動に伴う脳波を9名の被験者(23.0±1.2歳)に対して計測した。脳波は国際式10-20法による19箇所から測定した。この脳波を加算平均して事象関連電位を抽出し、重要な波形成分であるN100、N200、P300について調べた。さらに、動きの情報のみが含まれると思われる脳波について被験者全ての総加算平均波形を抽出し、運動方向の情報処理についての基礎的な検討を行った。この波形成分と被験者の反応時間の時間的な前後関係、そして脳の運動指令が指先に伝わるまでに少なくとも100ms前後かかるということを考慮すると、P300成分は運動方向判定後の何らかの脳内過程を反映している可能性があることが推測できた。
社団法人電子情報通信学会の論文
2006-10-19