大腸癌患者における末梢血単球グルタチオン含量と腫瘍局所免疫機構との関連
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概要
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癌免疫治療の奏功には,腫瘍周辺間質(ストローマ)の発達と癌局所リンパ球浸潤の予測が重要である.我々は癌局所レドックス状態を類推し得る末梢血単球(Mo)グルタチオン(GSH)含量に着目,同含量からストローマの発達,癌局所リンパ球浸潤および予後の予測が可能か否かについて検討した.未治療初発大腸癌患者28例に術前採血し,Moを分離,蛍光染色を行い,MoGSHスコアを算定した.また術後,摘出病理標本より腫瘍最深部付近ストローマの表面積(%)を測定,ストローマスコアを算定した.さらに免疫染色を行い,癌局所リンパ球浸潤を評価した.その結果,MoGSHスコアとストローマスコアには有意な相関が認められた(P<0.05).さらにロジスティック回帰分析を行ったところ,MoGSHスコアが腫瘍局所リンパ球浸潤に関連する有意な因子であることが明らかとなった(P<0.05).さらに,外科的治癒切除(根治度A)の手術が施行された24例をリンパ球浸潤の有無で2群に分け,再発の有無を検討したところ,再発例はリンパ球浸潤ありで16例中0例に対し,浸潤なしで8例中2例であったが,統計学的な有意差には至らなかった(P=0.101).以上よりMoGSH含量からストローマの発達,癌局所リンパ球浸潤の発生を予測出来る可能性が示唆された.
- 近畿大学の論文
- 2005-12-25
著者
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