筑波台地表層火山灰土の土壌水分特性に関する研究 : I.植被が土壌水分におよぼす影響
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概要
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土壌を自然史的物体としてとらえ,生きたものとみなしその変化を調べようとした。土壌と植物生育の関連で重要な役割をはたす土壌水分についてテンシオメータをもちい土壌水分張力の変化を筑波実験植物園の低木林区画で測定した。これに基づいて筑波台地表層を構成する火山灰土の水分環境を規制する土壌特性,植物群落特性および気候特性について概観した。土壌水分特性について次のような結果が得られた。1)本園淡色黒ボク土の表層10cm層位の土壌水分は,年間を通してpF2.0以上で経過する。2)夏期乾燥時はpF2.6にも上昇するし,冬期でもpF2.4を記録した。土壌表層の乾湿は気温よりも降水量および連続早天日数に関連が深い。3)冬期の表層土壌水分は,凍結融解により大きな変動を示し,その影響土層は表層から20cm以上にもおよぶし,変動に要する時間も短かい。4)下草雑草等の生育旺盛な期間は, pF2.8まで上昇し樹木の生育にも影響をおよぼす水分環境におかれる。一方,雑草等を5cm程度に刈込むことによりマルチの役目をはたし,植被が土壌水分保持に有効である。5)乾燥期に1回12mm,1日間断で2回灌水することにより表層から30cmまで影響をおよぼした。これより深い土層まで水分を供給するためには,2回以上の灌水が必要である。
- 1985-03-25
著者
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