新生児期にドプラ心エコー法により診断した筋性部心室中隔欠損の自然歴

概要

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筋性部心室中隔欠損(Muscular Ventricular Septal Defect; mVSD)の発生頻度,自然歴をカラー法とパルスドプラ心エコー法を併用し検討した。第1群は生後5日以内に診断し,その自然経過を観察しえたmVSD13例からなる。いずれも直径4mm以下の小欠損孔であった。生後1年以内に13例中11例(85%)に自然閉鎖がみられ,しかも早期のものが多かった。自然閉鎖がみられていない2例の最終の検査は1歳時,3歳時が各1例であった。第2群として318例の正常新生児に対し,心エコー検査を行い,mVSDの発生頻度について検討した。その結果,318例中7例(2.2%)にmVSDが確認された。そのうち3例に明らかな心雑音を認めなかった。その間,膜様部心室中隔欠損が2例みられたが,他の先天性心疾患は認められなかった。本研究により,1)mVSDの発生頻度は従来言われているよりも高頻度であること,2)小欠損では1歳以内にその多くが自然閉鎖することが示唆された。
北里大学の論文
1991-04-30