軟口蓋欠損への塞栓義歯装着による音響学的観察

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概要

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顎欠損は腫瘍,外傷等の後天的な原因や口蓋裂等の先天的な原因に由来し,審美障害や機能障害を引き起こす.特に発音障害は人間の特徴でもある「ことば」によるコミュニケーションを妨げるため,患者に実際的な不都合だけでなく精神的苦痛も与える.そのような場合,歯科では塞栓義歯による発音の回復が行われる.我々は軟口蓋に欠損を持つ患者に塞栓義歯を装着してその発音の変化をアニモ社製音声分析ソフト「杉スピーチアナライザー」で分析を行った.その結果,母音のフォルマント周波数は母音の種類により音声の変化が異なった.また,ピッチ曲線は全般的にはあまり変化が認められなかった.フォルマント周波数,ピッチ周波数ともに塞栓装着直後にある程度変化し,1ヶ月後には後戻りし塞栓装着前近づく傾向を示した.これらの結果より軟口蓋部の欠損補綴後の発音は変化しやすいため,しばしば塞栓部分の検査を行い,それに応じた調整が必要である事が示唆された.
朝日大学の論文
2004-06-20

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