犬眼球における毛様体の形態計測学的検討(解剖学)

概要

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10頭のビーグル犬を用いて,毛様体輪,毛様体冠を含む毛様体の位置を肉眼形態計測学的に初めて詳細に調べた.測定は,眼球全周における角膜縁から毛様体輪までの距離ならびに毛様体輪の幅について行った.左眼球では,角膜縁から毛様体輪までの距離が最も長いのは背外側領域であり,毛様体輪の幅が最も広いのは外側領域であった.また,角膜縁から毛様体輪の距離が最も短いのは内側領域であり,毛様体輪の幅も同様であった.右眼球では,角膜縁から毛様体輪の距離が最も長いのは背側領域であり,毛様体輪の幅が最も広いのは背外側領域であった.また,角膜縁から毛様体輪の距離が最も短いのは左眼球と同様に内側領域であり,毛様体輪の幅も同様であった.以上より毛様体は外眼角外側から背外側に大きく広がり,また内眼角内側において狭くなっていることが判明した.ビーグル犬の毛様体の正確な構造は,レーザーを用いた経強膜毛様体光凝固術を安全かつ効果的に実施する上で必要であり,本実験によりレーザー照射時の指標となるデータを得ることが出来た.
社団法人日本獣医学会の論文